「レポートや報告書の全ページ上部に会社名やタイトルを入れたい」「ページ番号をヘッダーに表示したい」「奇数ページと偶数ページで異なるヘッダーを設定したい」——Wordのヘッダー機能はこうした文書管理のニーズに対応する便利な機能です。
この記事では、Wordのヘッダーの基本概念から挿入・編集・応用設定・削除まで、実務で役立つ手順を体系的に解説します。
Wordのヘッダーとは

基本概念と用途
ヘッダーとは、Wordの各ページ上部の余白部分に固定して表示される領域です。本文とは独立した領域として扱われ、一度設定するとすべてのページに同じ内容が自動的に表示されます。
📌 この記事の手順はMicrosoft Word 2019・2021・Microsoft 365(サブスクリプション版)を対象としています。
文書のタイトル、ページ番号、日付などの情報表示
ヘッダーに配置する主な情報は以下の通りです。
| 配置する情報 | 具体例 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 文書タイトル | 「2024年度 事業計画書」 | 報告書・企画書・論文 |
| 会社名・組織名 | 「株式会社〇〇 営業部」 | ビジネス文書・提案書 |
| ページ番号 | 「1 / 10」「Page 1」 | 複数ページの文書全般 |
| 日付・バージョン | 「2024年5月作成 ver.2」 | 定期報告書・マニュアル |
| ロゴ・画像 | 会社ロゴ・部署アイコン | 公式文書・プレゼン資料 |
| 章タイトル | 「第3章 財務分析」 | 書籍・長編レポート |
ヘッダーとフッターの違い
ヘッダーとフッターはどちらも本文外の固定表示領域ですが、配置場所が異なります。
| 項目 | ヘッダー | フッター |
|---|---|---|
| 配置場所 | ページ上部の余白 | ページ下部の余白 |
| 主な用途 | タイトル・会社名・章タイトル | ページ番号・注釈・著作権表示 |
| 設定方法 | ほぼ同じ手順で設定可能 | ほぼ同じ手順で設定可能 |
Tips: ヘッダーを編集モードで開いているときはフッターにも同じタブからアクセスできます。「ヘッダーとフッター」タブの「フッターへ移動」ボタンで切り替えられます。
ヘッダーの挿入方法

リボンメニューから挿入
最も基本的なヘッダーの挿入方法です。Wordのヘッダー挿入の詳細な手順はこちらの記事も参考になります。
手順:
- 手順1: リボンの「挿入」タブをクリックする
- 手順2: 「ヘッダーとフッター」グループの「ヘッダー」ボタンをクリックする
- 手順3: 表示されるドロップダウンメニューからスタイルを選択する
- 手順4: ヘッダー編集モードが起動し、カーソルがヘッダー領域に移動する
- 手順5: 内容を入力する
- 手順6: 「ヘッダーとフッターを閉じる」ボタン(または本文をダブルクリック)でヘッダー編集モードを終了する
ヘッダー編集モードでは本文がグレーアウトして表示され、ページ上部に「ヘッダー」と区切り線が表示されます。この状態でのみヘッダーを編集できます。
既存テンプレートの利用
Wordにはデザイン済みのヘッダーテンプレートが多数用意されています。
挿入 → ヘッダー → ドロップダウンメニューに表示される「組み込み」テンプレートから選択
主なテンプレートの種類:
- 空白: 何もないシンプルな空白ヘッダー
- 空白(3段): 左・中央・右に3つのテキストエリアがある
- アルファベット: 文書タイトルがデザインされたスタイル
- オースティン: 線とタイトルを組み合わせたデザイン
- グリッド: グリッド模様の背景付きデザイン
空白のヘッダーに自由に文字や画像を配置
「空白」テンプレートを選ぶと自由にレイアウトできます。タブストップを活用することで左・中央・右に情報を並べることができます。
タブストップでの3列配置:
- ヘッダー内でカーソルを左端に置き、左揃えのテキストを入力する
- Tabキーを1回押すと中央揃えに移動する(デフォルトのタブストップ設定の場合)
- Tabキーをもう1回押すと右揃えに移動する
ヘッダーの編集方法

文字や画像の追加・削除
ヘッダー編集モードに入る方法は2つあります。
- 方法1: ページ上部のヘッダー領域をダブルクリックする
- 方法2: リボン「挿入」→「ヘッダー」→「ヘッダーの編集」を選択する
編集モード内でのテキスト操作は通常の本文と同様に行えます。画像の挿入は以下の手順で行います。
ヘッダー編集モード中 → リボン「挿入」→「画像」→ ファイルを選択 → 挿入
フォント・サイズ・色の変更
ヘッダー内のテキストも本文と同様にフォント・サイズ・色を変更できます。
- 変更したいテキストを選択する
- リボン「ホーム」タブのフォント設定グループで変更する
- または右クリックメニューのミニツールバーで変更する
デザインのコツ: ヘッダーのフォントは本文より1〜2pt小さくすると、視覚的にバランスよく見えます。色は本文の黒より薄いグレー(#666666程度)にすることで邪魔になりません。
複数ページで共通ヘッダーにする方法
Wordのデフォルト設定では、すべてのページに同じヘッダーが表示されます。セクション分けをしていない場合は特別な設定は不要です。
セクション分けをしている場合は「前と同じヘッダー/フッター」リンクを有効にすることで共通化できます。
ヘッダー編集モード → 「ヘッダーとフッター」タブ →「前と同じヘッダー/フッター」ボタンがオンになっているか確認
奇数・偶数ページで異なるヘッダーに設定
書籍や冊子のように、奇数ページと偶数ページで異なるヘッダーを設定する方法です。奇数・偶数ページで異なるヘッダーの設定方法はこちらの記事も参考になります。
ヘッダー編集モード → 「ヘッダーとフッター」タブ → 「奇数/偶数ページ別指定」にチェックを入れる
- チェック後、「奇数ページのヘッダー」と「偶数ページのヘッダー」が別々に表示される
- それぞれのページに移動して独立した内容を設定する
- 一般的に奇数ページには章タイトル・偶数ページには文書タイトルを配置する
ページ番号や日付の挿入

自動更新される日付や時刻
ヘッダーに日付を挿入する際、手入力ではなく「自動更新フィールド」を使うと文書を開くたびに最新の日付が表示されます。
ヘッダー編集モード → リボン「挿入」→「テキスト」→「日付と時刻」→ 書式を選択 → 「自動的に更新する」にチェック → OK
注意:「自動的に更新する」にチェックを入れると、文書を開くたびに日付が変わります。作成日を固定したい場合はチェックを外してください。
ページ番号の挿入方法と位置調整
ヘッダーへのページ番号挿入方法は2つあります。
方法1:ヘッダー外から挿入
リボン「挿入」→「ヘッダーとフッター」グループの「ページ番号」→「ページの上部」→ スタイルを選択
方法2:ヘッダー編集モード内から挿入
ヘッダー編集モード → 「ヘッダーとフッター」タブ → 「ページ番号」→ 位置とスタイルを選択
「X / Y ページ」(現在ページ / 総ページ数)の表示を作る場合:
ヘッダー内にカーソルを置く → 「ページ番号」→「現在の位置」→「番号のみ」で現在ページを挿入 → 「/」を入力 → 「ページ番号」→「現在の位置」→「X/Y ページ」を選択
章ごとに異なるヘッダー設定
長い文書で章ごとにヘッダーを変える場合はセクション区切りを使います。
- 手順1: 新しいヘッダーを始めたいページの直前にカーソルを置く
- 手順2: リボン「レイアウト」→「区切り」→「セクション区切り:次のページから開始」を挿入する
- 手順3: 新しいセクションのページに移動してヘッダー編集モードを開く
- 手順4: 「前と同じヘッダー/フッター」ボタンをクリックしてリンクを解除する
- 手順5: 新しいセクションのヘッダーに異なる内容を入力する
ヘッダーの応用設定

図やロゴを挿入してデザイン性向上
会社のロゴマークや区切り線をヘッダーに追加することで、プロフェッショナルな文書の見た目を作れます。Wordのヘッダーに図やロゴを挿入する方法はこちらの記事も参考になります。
ロゴ画像の挿入手順:
- ヘッダー編集モードに入る
- リボン「挿入」→「画像」→「このデバイス」でロゴ画像ファイルを選択する
- 挿入後、画像を選択して「図の形式」タブからサイズを調整する
- 「レイアウトの詳細設定」で文字列の折り返しを「前面」または「四角形」に設定すると位置の微調整がしやすくなる
区切り線の追加:
ヘッダー内でカーソルを置く → リボン「ホーム」→「罫線」→「下罫線」を選択 → ヘッダーの下に線が追加される
複数セクションで異なるヘッダー
章ごとや文書の前半・後半でヘッダーを変える実践的なシナリオです。
シナリオ例:表紙にはヘッダーなし、本文にはヘッダーあり
- 表紙と本文の間にセクション区切りを挿入する
- 本文のヘッダー編集モードを開く
- 「前と同じヘッダー/フッター」のリンクを解除する
- 本文のヘッダーに内容を入力する
- 表紙のヘッダーは空白のままにする
印刷やPDF出力時の注意点
- 余白の確認: ヘッダーの高さが余白設定と合っているか確認する。余白が小さすぎるとヘッダーが本文と重なる場合がある
- 印刷プレビューで確認: 「ファイル」→「印刷」の印刷プレビューでヘッダーの見え方を必ず確認する
- PDF出力: 「ファイル」→「エクスポート」→「PDF/XPS」でPDF化してもヘッダーはそのまま保持される
注意:プリンターによっては上部の余白が印刷できないことがあります。ヘッダーが切れる場合は余白設定を広げてください。レイアウト → 余白 → ユーザー設定の余白で「上余白」と「ヘッダーの余白」を調整します。
ヘッダー削除方法
全ページのヘッダーを削除
文書全体のヘッダーをすべて削除する最も簡単な方法です。
リボン「挿入」→「ヘッダー」→ドロップダウンメニュー最下部の「ヘッダーの削除」をクリック
または:
ヘッダー編集モードに入る → ヘッダー内のすべてのテキスト・画像を選択(Ctrl+A)→ Deleteキーで削除 → ヘッダー編集モードを終了
特定ページのみ削除
特定のページだけヘッダーを非表示にする場合は、セクション区切りを活用します。
- 手順1: 削除したいページの前後にセクション区切りを挿入する
- 手順2: 削除したいページのヘッダー編集モードを開く
- 手順3: 「前と同じヘッダー/フッター」リンクを解除する
- 手順4: そのセクションのヘッダー内容をすべて削除する
また、Wordのヘッダー設定と削除の実践的な方法はこちらの記事も参考になります。
セクションごとの削除手順
複数セクションがある文書で特定セクションのみヘッダーを削除する手順です。
- 削除したいセクション内のページに移動する
- そのページのヘッダー領域をダブルクリックしてヘッダー編集モードに入る
- 「ヘッダーとフッター」タブで「前と同じヘッダー/フッター」がオフになっているかを確認する(オンの場合はクリックしてオフにする)
- そのセクションのヘッダー内容を削除する
- ヘッダー編集モードを終了する
まとめ
ヘッダーは文書情報やページ管理に便利
Wordのヘッダーは、文書タイトル・会社名・ページ番号・日付などを全ページに自動表示できる便利な機能です。一度設定するだけで全ページに反映されるため、ページごとに手動で入力する手間が不要になります。
挿入・編集・削除の手順を理解して効率的に使用
- ヘッダーの挿入は「挿入」タブ → 「ヘッダー」から行う
- 既存ヘッダーの編集はヘッダー領域のダブルクリックで編集モードに入る
- ページ番号・日付は自動フィールドとして挿入すると管理が楽になる
- セクション区切りを使えばページや章ごとに異なるヘッダーを設定できる
- 「前と同じヘッダー/フッター」のリンク解除がセクション別設定の鍵
デザインやページ構成に合わせて柔軟に活用可能
ヘッダーはシンプルなテキスト表示から、ロゴ入りのデザイン性の高いスタイルまで柔軟に設定できます。奇数・偶数ページの切り替え・セクション別ヘッダー・表紙のみヘッダーなしなど、文書の目的に合わせた設定を活用することで、プロフェッショナルな文書を効率よく作成できます。

