Linuxでファイルをコピーする方法はさまざまです。シンプルなコマンドを使った基本的な方法から、条件に基づいたコピー、ネットワーク越しのコピーなど、シチュエーションに応じて使い分けることができます。この記事では、Linuxのファイルコピーに関連する主要な方法を紹介します。
基本的なファイルコピー方法
1. cpコマンドを使用したファイルコピー
最も基本的で一般的なファイルコピーの方法は、cpコマンドを使用することです。このコマンドを使うと、ファイルやディレクトリを同じシステム内でコピーできます。
- ファイルをコピーする場合:
このコマンドはsource_file.txtをdestination_file.txtにコピーします。元のファイルはそのまま残り、新しいコピーが作成されます。
- ディレクトリ全体をコピーする場合:
-rオプションを使用することで、ディレクトリとその中のすべてのファイルを再帰的にコピーします。
2. rsyncコマンドを使用したコピー
rsyncは、特に大量のデータやネットワークを介してのコピーで効率的です。差分だけをコピーするので、すでにコピーされているファイルに変更がない場合はスキップされ、時間と帯域幅を節約します。
- 単純なファイルコピー:
-aはアーカイブモード(再帰的にディレクトリをコピーし、シンボリックリンク、ファイルの所有権、権限、タイムスタンプを保存)、-vは詳細情報を表示、-hは人間にわかりやすい形式で出力を表示するオプションです。
- ネットワーク越しのコピー:
これは、source_file.txtをリモートホストの指定したパスにコピーします。セキュアシェル(SSH)を使用して安全にファイルを転送します。
高度なファイルコピー方法
3. scpコマンドを使用したリモートコピー
scp(Secure Copy)は、SSHを利用してファイルをリモートホスト間で安全にコピーするためのコマンドです。
- ファイルをリモートホストにコピーする場合:
- リモートホストからファイルをコピーする場合:
4. ddコマンドを使用した低レベルのコピー
ddは、特定のブロックサイズやバイト数でデータをコピーする場合に役立ちます。特にディスクのバックアップやイメージの作成によく使われます。
- ディスク全体をコピーする場合:
このコマンドは、/dev/sda(入力ファイル)から/dev/sdb(出力ファイル)に、ブロックサイズ4MBでデータをコピーします。ddコマンドは非常に強力であり、誤った使用はデータ損失につながる可能性があるため、注意が必要です。
まとめ
Linuxでのファイルコピーには多くの方法がありますが、それぞれに適した用途があります。以下にまとめます:
- 小規模なファイルやディレクトリのコピーにはcpコマンドが便利です。
- 大量のファイルやディレクトリのコピーにはrsyncが効率的です。
- リモートホスト間でのセキュアなファイル転送にはscpを使用します。
- ディスクのイメージやバックアップにはddが強力です。
どのコマンドも強力ですが、使用方法を誤るとデータ損失のリスクがあるため、必ず慎重に使用しましょう。